ブックオフが斜陽になったことを元ブックオフ店員が理由とかをあれこれ考える

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最近ブックオフの経営が危ないんじゃないかという記事をよく見ます。

toyokeizai.net

確かに最近あまりブックオフを利用しなくなりました。

学生の時は3店舗~5店舗ブックオフ巡りをして如何に安く手に入れるかというのに必死になったものです。

実は大学生のある時期ブックオフでバイトとして働いていました。

元々ブックオフのヘビーユーザーで、たまたま募集をしていた店舗の時給が高かったので、そのまま応募して合格って感じです。

面接は普通の就活っぽく本部の人と店舗マネジャー、採用店舗の店長の3人位がいたと思います。そして集団面接でした。

大学卒業と同時に辞めたので、もう職場としてのブックオフを離れて数年経ちますが、当時思っていたこととか今どう感じているかとかをあれこれ書きたいと思います。

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そもそも何故ブックオフは人気だったのか

ブックオフが何故人気だったのかというよりは、元々日本には古本文化が根付いていたこともあり、参入はしやすかったジャンルだったのだと思います。

おそらくブックオフが黒船のごとく出現するまでは、古本屋というと街の個人経営者が行っているケースが殆んどだったので、規模的にも、人的にも限界はあります。

それを破ったのが一企業として古本に特化したリサイクル店のブックオフだったのです。
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豊富な在庫と100円コーナーという手軽さ。

在庫に関しては各店舗に依存するだけでなく、近隣店舗と在庫の共有をすることで、常にあらゆるジャンルを一定数保つことができる。

このシステムは今までの古本屋にはなかったので、非常に強みとなっていたと思います。

立地に関しても、地元住民がターゲットの駐車場のある大型店舗から、駅近でサラリーマンや学生狙いの店舗などユーザーがアクセスしやすい場所にブックオフが多く存在していたため「古本屋=ブックオフ」という図式は簡単に出来上がったと思います。

訪れた変化

ユーザー

数年前のブックオフは純粋に本好きが集まる場所だったと思います。

小説にしろ漫画にしろ「本を探して買うこと」を目的としている人が殆どです。

ただ、最近は本を買わずに長時間の立ち読みをする人、せどり目的で大量に本を購入していく人が急増しました。

この2つは私がブックオフで本を買わなくなったことにも関係します。

まず長時間立ち読みをしている人が大量にいると本を探しにくくなるので買いに行く気がなくなります。

元々通路が広くない店舗が多いのに、両サイドに立ち読みが大量にいると、その空間に行くのが億劫に感じてしまいます。

そしてせどりですね。

せどりという行為自体はちゃんと商品代金を払っているので法的には問題のない行為ですし、転売するために安く仕入れるというのはよく理解できます。

ただ、他のユーザーからしたら、お買い得商品が根こそぎ買われてしまい、宝探し感が無くなってしまいます。

おまけに、仕入れのため大量に購入するため、カゴを2つくらい本でパンパンにしながら商品を探すというのもよく見るんですが、そのカゴが邪魔です。

立ち読みの人並みに邪魔ですし、自分が欲しい本を探している時にせどり中の人と同じ空間に入ると、微妙に「仕事の邪魔をするなよ」というオーラを出す人もいます。

店員側としても結構邪魔なのでせどりはやめてほしいなってよく思ってました。

大型店舗って在庫数も多いので掘り出しものが豊富だったんですが、それはせどりも多くいるということなので、段々とブックオフから足が離れていくということになりました。

ブックオフ側

ここからは多少ブックオフの内情にも触れます。

ブックオフの買取システムというのは、基本的に本のカテゴリ表があり、その各カテゴリに本の状態によって値段が決められているという感じです。

例えば人気漫画は200円、青年漫画で綺麗な状態は100円、文庫本で状態が悪いものは10円という風に。

なのでカテゴリで上限の値段が決められているので、S級の美品もSS級の美品も値段が変わらないというのはよくあります。

商品一つ一つに買取値段が決まっているわけではないので、物によってはかなり損します。

例えば、状態が少し悪いけど絶版されている単行本で欲しい人は1万円でも買うという本を持ち込んだとしても、ブックオフでは「状態が悪い単行本だから10円」という評価をされてしまいます。

ここだけ聞くと「ブックオフの買取システムガバガバじゃないか」と思うでしょう。

そうなんです。ガバガバなんです。

しかも状態判断は買取する店員によって差が出るので、高く買い取ってくれる人と安く買い叩く人の差があります。

しかし、これはユーザー側にもメリットはあるんです。

綺麗な状態のものはプロパーと呼ばれて定価の半額+α程度の値段が付けられて棚に並びます。

そして状態の悪いものと商品在庫がダブりまくってる本は100円コーナーに並びます(東野圭吾とか腐るほど在庫あるんでよく100円コーナーに速攻で並べてました)

この100円コーナーにお宝が並ぶわけですね。

上記のように見る人が見たら1万円でも買う本が100円で並んでいる可能性があるわけです。

私もよく買取をしながら「あーこれ限定品じゃん。絶対高く売れるわ。」って思いながらも100円とかで買い取ってました。

カテゴリの上限を超える値段で買い取ってしまうと後々面倒なんで、そこは「上限で買い取るんで勘弁して下さい」って気持ちでした。

とまあ、こんな感じで結構カオスな値段設定(買取も販売も)だったので、お宝本が結構あったわけですね。

ただ、最近のブックオフは完全にデータで商品を管理して買取をしている所が多くなったと思います。

おそらく、買取値段の差をなくす・業務の円滑化とせどり対策かなという。

多少状態が悪くてもちゃんとデータで査定をするのでガバガバ感がなくなるのです。

そしたらお宝本が減りますね。

今までブックオフで買取をお願いしていた人も「あれ?前はもっと高値だったのにな」と思う人もいたのではないでしょうか。

お宝本が減ってしまったということがきっかけでブックオフへ行かなくなったという人も少なく無いでしょう。

取り巻く環境

ここ数年でブックオフを取り巻く環境も大きく変わりました。

まずはネット売買の増加です。

昔はヤフオクとかで出品する人って若干副業感が出てましたが、最近は結構そんなこともないですね。

ヤフオクのシステムもかなりライトユーザーにわかりやすいような設定になってきているので、自分で出品をしやすくなったというのも要因として大きいでしょう。

あとは、最近だとメルカリもユーザー数を伸ばしてますね。

私もメルカリをちょっと覗いたことあるんですけど、家電製品とかでスペック全然書いてなかったり、状態としても不明確な商品ばかり出品されていたので、正直買う気は起きませんでした。

ただ、ネット売買の超ライトユーザーからしたらとっつきやすいのだと思います。スマフォから簡単に出品できるし。

取り巻く環境で言えば電子書籍の存在も外せません。

Amazonを始めとして日本でも多くの企業が電子書籍に参入してます。

電子書籍って最初こそ若干抵抗はあるんですが、いざ使ってみると電子書籍でしか本を買わなくなるという程に電子書籍の比率が増えます。私もその一人です。

そうなると電子書籍ユーザーって古本めぐりをしなくなる人が多いと思うんです。

ブックオフ的にも今まで大人買いをしていた人たちが電子書籍でガッツリと買うもんだからそりゃ売上は伸びなくなるよなという感じです。

本を読むにしても単純に紙か電子かで市場が広がってしまったため、今までブックオフで買っていたユーザーの絶対数が落ち込むというのは容易に想像できます。

まとめ

私がブックオフに通い詰めていた時は学生でそんなにお金なかった時ですし、欲しい本を如何に安く手に入れるかに躍起になっていたためヘビーユーザーになったというのがあります。

ブックオフは単純に古本が多くあるというだけでなく「お宝を探す」という要素が楽しかったわけで、それが無くなったブックオフには長時間の立ち読みユーザーとせどりという負の要素しかないわけです。

しかも長時間立ち読みするユーザーって基本的に本を買わないような人ばかりですからね。私は「そんなに立ち読みするくらいなら買えよ」って思うんですが。

結局ブックオフの売上が伸びないっていうのはこの2点に尽きるでしょう。

  1. ブックオフが持っていた魅力がなくなり、ユーザー数の減少
  2. 本の読み方が多様化したため、そもそもブックオフに買いに行くユーザー数の減少

そりゃユーザー数自体が減少すりゃ売上伸びません。

そもそも薄利多売で利益を得る商売なんですから、どれだけ多くの人に来てもらって買ってもらうかが重要になるわけです。

ユーザー数が減ったら今度は客単価を挙げなければいけませんから、最近は本以外でもスマホ・タブレットを始めとする電子機器やブランド品の買取なども始めたわけですね。

ただ、高額商品なればなるほど、ヤフオクやメルカリなどのネット売買が強くなるので、そっちでも上手く立ち回れずって感じでしょうか。

ブックオフが復活するにはあのガバガバ査定に戻すべきでしょうね。
あとはせどり対策でしょうか。少し難しいですけど。

古本市場は斜陽市場とよく言われますが、実際にはまだ根強い古本市場のユーザーはいますので、市場そのものがすぐ無くなったりはしないでしょう。

ただ、いま現状のブックオフの状態だとユーザー離れが激しいので、他社に食われたりするのはあるかもしれません。

最近苦肉の策としてブックオフは立ち読みができないような対策をしましたが、あれは逆効果だと思います。

そもそも長時間立ち読みするようなユーザーは本を購入する気は殆ど0でしょうし、逆に「この本興味あったからちょっと中身確認してから買おう」って人が買い辛くなります。

こう書いていると本当に手詰まり感半端ないです。ブックオフ内部の人間は今こんな気持なんですかね。

ウォルターさんに襲われるくらいの危機を覆せるジョーカー的な存在は持ってるんですかね。それともペンウッド卿のごとく美しく散るのか。

プロフィール

Webマーケティング・ライター・カメラマンと幅広くお仕事させていただいております。
ガジェットやカメラ系の話題が多いです。

カメラは複数のマウントで運用中。
SIGMA・SONY・FUJIFILM・RICOH

お問い合わせは下記のメールまで
syabelog@gmail.com

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