しゃべろぐ

雑談ブログ。ガジェット・カメラ関係多め

失われゆく伝統工芸と少子化問題とか

f:id:syabelog:20171025030748j:plain

職人を支えているのは職人

結構前ですがテレビで木版手法の浮世絵が好きでフランスから日本に来た外国人を見ました。


そのテレビの中で版画の紙を刷るための「バレン」という道具を作っている職人が出てきました。
恥ずかしながらあの道具がそのような名前だとちゃんと認識したのはテレビを見た時です。


小学校の時に版画制作で使ったことは記憶にあるのですが、名前までは記憶してませんでした。*1
結局、私の生活があまりにも版画と接しないため、意識として抜け落ちしまっていたのでしょう。


改めて考えると版画を刷る職人がいるならば当然その職人が使う道具を作る職人がいるわけです。


職人のアウトプットはその作業を支える職人がいてこその作品なのです。


よくよく考えてみれば社会でも「自分の会社だけで完結しているお仕事」というのはほとんどないですもんね。*2


なんだか「職人」というだけで「一匹狼で仕事を完遂する人」というイメージが先行してしまったのでしょか。

圧倒的な職人の後継者不足

話は変わりまして伝統工芸業界の直面している問題について。


伝統工芸の職人が後継者がいなくて困っているとういニュースはよく目にします。


でも実際にどの業界のどの職人が困っているのかということの情報発信があまりないため、ふわーっとしたことだけ頭に残るだけにとどまっています。


そこでちょっと調べてみたらこんなサイトが出てきました。
shikinobi.com


こんな物があったなんて全然知らなかったです。


このサイトでは伝統工芸そのものや伝統工芸に携わっている人などを特集することで、少しでも光を当てようという趣旨のサイトのようです。


そして「職人募集」という項目もあるので、もし伝統工芸に興味がある人がいたらここからアクションを取ることも可能です。

根本は少子化と同じことだと思う

伝統工芸の後継者がいないことも日本全体で少子化が進み人口が減っていることも根本は同じだと感じています。


結局は未来の財産への投資が先送りになってしまったがために、対策が全て後手に回ってしまい段々と修復するのに多大な労力が必要になってしまっているのです。
そして費用も時間もかかるから余計に動きづらくなっている。


本来であれば、今のような状況すら作ってしまうことはNGなわけで、どんな政権に変わろうが継続的に行われ続けるべき施策だと思います。


なので「少子化対策に力を入れます!」って言ってる政治家には「お前何を言っているんだ?そんなの最低条件だろ」という気持ちが出てきます。


力を入れますというか、そこは必ずやるべき前提であって、他の政治家と差異化をするための主張ではないのです。


伝統工芸関係に限らず少子化問題は農業などを始めとする第一次産業の後継者問題へダイレクトに影響を与えてますし、この伝統工芸業界の衰退というのは日本の衰退を見ているような気分にもなります。

職人は苦労しろについて

伝統工芸に限らず、職人的な職業*3について回る「見て覚えろ」「修行中は薄給」というようなスタイルは正直今の若い世代にはマッチしないでしょう。


昔であればそもそも職業選択の自由度が今よりも少なかっただろうし、お金が無くてもある程度生活できる幅が広かったのだと思うが、現代はそうもいきません。


今の時代に物々交換だけで生活している日本人は非常に少ないでしょうし、基本的に「日本円」という貨幣がなければできないことだらけでストレスが半端ないでしょう。


しかし、職人からしても伝統工芸のクオリティだけでなく、受け継がれている魂のようなものも引き継がせたいと考えているわけで、生半可な気持ちの人は来てほしくないというのも納得できます。
本気以外の人は帰ってくれという主張は当然でしょう。


上記のように「修行中は薄給」と言っても修行させてくれと申し込んでくる人は少なからず一定数いるわけですが、一般的にその人は酔狂な人と表現されます。


普通に考えて修行とはいえお金があまりもらえないのは生活ができなくなる可能性が非常に高いわけで、そのような条件を飲む人間は少ないと思います。
住み込みで衣食住付きなら給料少なくても平気かもしれませんが、そこまで保証されないとしたらなかなか飛び込むのに勇気がいります。


伝統工芸と一般企業と同列に考えるのはちょっと違う気もしますが、もしこれが一般企業で「研修中はほとんど給料出ないから」と言ったら即刻ブラック企業認定されるでしょう。


伝統工芸は日本文化そのものであるわけで、それが失われるという損失は日本のメーカーが海外企業に買収されるなんていう比じゃありません。

一度消えてしまったものを復活させるのは難しい

一度消えてしまった物を再構築しようとする労力は想像し難しいですし、伝道師がいないので生きてる情報を得ることはできず、過去の情報を引っ張り出して模索するしかありません。
人を教育するにあたってこんなに条件が悪いことは無いでしょう。
教育者がいないのですから。


ここまで来たら伝統工芸のレッドリストみたいな物を政府が公開して大体的に募集、職人には教育に注力してもらって一定金額の交付*4後継者候補にも生活ができるように最低ラインの金額を付与*5するなどして、職人と後継者候補双方にとって負担がなくなるような施策をもっと行っていかないと、日本の伝統工芸はどんどん失われていってしまいます。


正直クールジャパンといってアニメ・漫画ばかりの広告をする前に伝統工芸を救う費用に回したほうが良い気がします。
そもそも、クールジャパン施策が微妙というのものあるんですが。


アニメ漫画を推したいのかそうじゃないのか政府の立ち位置がわからないし、変に国がプッシュした作品って地雷臭めっちゃしそうです。


何はともあれ、伝統工芸が無くなっていく姿には寂しさと同時に危惧を覚えてます。


いつか伝統工芸存続をサポートするお仕事とかしてみたいな。

*1:もしかしらちゃんと授業で名前が出てきたのかもしれませんが…

*2:大手になればなるほど外注使用率が高くなりますし

*3:職人的な職業というのは所謂技術職全般を指します

*4:本来の製作ペースが崩れるため、それを補填するための金銭は必要かと

*5:新卒の平均初任給位ですかね